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 ご当地列伝 vol.11 世界一周の旅「東武ワールドスクウェア」を世界遺産検定マイスター…

関東の奥座敷・鬼怒川温泉の観光スポットと知られる「東武ワールドスクウェア」。1993年に開業したテーマパークで、世界の有名な建築物や遺跡など102点全てが25分の1のサイズで再現されています。2017年7月には東武鉄道鬼怒川線に「東武ワールドスクウェア駅」が新設され、メインゲートまで徒歩1分とアクセスしやすくなりました。今回、世界遺産検定マイスターでもある山本が訪ねました。

 

そして、その魅力といえば、園内に22の国と地域の建造物102点が一同に会し、まるで世界一周の旅にでかけるようなワクワクした気分になれることでしょう。まだ見たことのない場所へ行ったつもりになるもよし、すでに訪れた場所を思い出して比べてみるもよし、さまざまな楽しみ方ができます。

 

2019年に公開されたばかりの新展示物「ワット・アルン」

開業当時より展示される建物は少しずつ増えており、昨年登場したばかりの最新の展示物がタイ・バンコクの寺院「ワット・アルン」です。細部にわたって緻密に再現されていますが、寺院から許可を得て、いざ制作に取り掛かろうとしたところ、古い建物ゆえ建築図面が残っていなかったそうです。そのためスタッフが測量のため実際にわざわざバンコクを訪れたとのこと。スケッチしたり、写真を撮ったり、寸法を測ったりと現地取材を行ったそうです。世界の有名建築物は古い建物も多いので、こういった苦労もよくあることだとか。それを知った上で見学すると、感動もひとしおですね。

 

ワット・アルンのほか、園内に入って最初に出迎えてくれる「東京スカイツリー」や、アジアゾーンにそびえる台湾の「台北101」など、近年増設された展示物も多く、現在も次の展示物の制作の計画があるそうです。とはいえ、制作許可の交渉から現地取材、制作と数年単位ですから、何が登場するのかは楽しみに待ちたいと思います。

 

ユネスコの世界文化遺産が47物件も!

世界中の有名な建造物が集まる「東武ワールドスクウェア」。その中には世界遺産に登録されている建造物も多く、47物件が世界遺産とのこと。世界遺産には自然遺産・文化遺産・複合遺産と3種類ありますが、「東武ワールドスクウェア」にあるのは遺跡や建造物だけなので、すべて世界文化遺産となっています。どの展示物が世界遺産かを知るにはパンフレットを確認してみてください。展示物の名称の前に赤い★印が付いています。また実際の展示物にも「世界文化遺産登録」のプレートが付けられています。

 

世界遺産には、姫路城のように1つの物件で1つの世界遺産として登録されているものもあれば、複数の構成資産で1つの世界遺産となっているものもあり、47物件が世界遺産と紹介しましたが、世界遺産の数でいうと33件となります。例えば、日本ゾーンの清水寺や金閣寺、銀閣寺など、世界遺産登録の京都の建物が5つありますが、世界遺産の物件名でいうと「古都京都の文化財」とひとつにまとめられてしまうからです。エジプトゾーンにある5つの物件はすべて世界遺産ですが、これも「メンフィスとその墓地遺跡」「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」という2つの世界遺産にまとめることができます。

 

1993年の開業時には世界遺産でなかった建物が、後に世界遺産に登録されたというケースもあります。日本ゾーンにある「旧グラバー邸」は2015年登録の「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の、「大浦天主堂」は2018年登録の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」のそれぞれ構成資産のひとつとなっています。2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が登録されたときは、園内にある沖縄の「守礼の門」も世界遺産かと確認したそうですが、残念ながら構成資産には含まれていなかったというお話でした。例年6~7月頃に開催される世界遺産委員会で登録物件は増えていますので、もしかすると今後も「東武ワールドスクウェア」内に世界遺産が新たに誕生することがあるかもしれません。

 

また、時間の経過とともにミニチュアと現在の実際の姿と異なってしまったものもあります。スペイン・バルセロナの世界遺産「アントニ・ガウディの作品群」の構成資産である「サグラダ・ファミリア」は、現在も建設中の大聖堂。「東武ワールドスクウェア」で見られるのは今から約30年前、1990年頃の姿で、尖塔や生誕のファサード(門)などはありますが、大聖堂内部はまだ屋根がなく、工事現場の様子が見てとれます。その後、建設は進み、今では受難のファサードや教会内部もでき、2026年には完成するとのことです。

 

また、2019年に残念ながら一部焼失した世界遺産が「パリのセーヌ河岸」の構成資産「ノートルダム大聖堂」です。実際は尖塔や屋根が焼け落ちてしまい、現在、修復工事中ですが、ミニチュアでは完璧な姿を見せています。世界遺産は後世に受け継いでいくべき大切なものですが、現実に失われることもあるということを肝に銘じ、文化財を大切にしないといけないなと思わせてくれます。

 

遊び心いっぱいの14万体の人形たち

102点の建造物や遺跡をより魅力的に見せてくれているのが、14万体にもおよぶ人形たちです。約7cmの小さな体ながら、色付けされた姿はひとつひとつ個性があります。野外にずっと置かれているため、色褪せたりするたびに修繕が必要となりますが、驚くことにこの人形の色付けはなんと2人の女性スタッフだけで手塗りされているそうです。人形の目線に合わせて低い位置から撮影すれば、本物のような写真が撮ることもできますね。

 

また、この14万体の中には、面白い人形たちがまぎれています。例えばエジプトゾーンにいるミイラ男や、「万里の長城」にいる三蔵法師の一行など、探してみてはいかがでしょうか?

 

このような隠れキャラクターや、建造物の歴史やエピソードなどを案内してくれるガイドツアーもあります。現代日本ゾーンからエジプトゾーンまでのコースと、ヨーロッパゾーンの2コースがあり、どちらのコースも1日2回、各回所要時間は約30分。無料で参加できるのもうれしい限りです。

 

世界の建造物や遺跡に気軽に触れながら、旅行気分を味わい、世界遺産への造詣も深められる「東武ワールドスクウェア」、ぜひ訪れてみてくださいね!

 

【東武ワールドスクウェア】

住所 〒321-2593 栃木県日光市鬼怒川温泉大原209-1

電話 0288-77-1055(予約センター)

営業時間 9:00~17:00(冬期は9:30~16:00)※入場は閉園の1時間前まで

定休日 年中無休

料金 当日券/大人(中学生以上)2,800円、小人(4歳以上)1,400円、前売り券/大人2,500円、小人1,200円