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 食べて、飲んで、体験して!知っているようで知らない埼玉の魅力

埼玉の観光と言えば、蔵の町・川越や長瀞ライン下りくらいしか思い浮かばない……。もちろん有名処もいいですが、実はもっとわくわくするエリアや観光スポットが凝縮されているのです。近いけれど知らない、知っているようで知らない埼玉の魅力をご紹介します。

リニューアルオープンのききざけ処

じつは埼玉は兵庫・京都・新潟に次いで清酒出荷量全国4位という、首都圏一の酒どころです。県内には35の蔵元があるのですが、埼玉のお酒って?と思う方も多いのでは。川越にある「小江戸蔵里(くらり)」では県内の日本酒を一堂に揃えています。

この施設は旧鏡山酒造の建築物を利用したもので、おみやげ処(明治蔵)、まかない処(大正蔵)、ききざけ処(昭和蔵)の3つの蔵と、つどい処(展示蔵)があります。2018年3月にリニューアルオープンしたききざけ処では、500円でおちょこ4杯、地酒のコイン式自動販売機から好みの日本酒を試飲でき、その場で購入もできます。日本酒の味の特徴を示すチャートも掲げられ、日本酒初心者の方も目安になります。風味や味わいの異なる日本酒の飲み比べを楽しんでみてください。小江戸蔵里

                コイン式自動販売機

ねぎとうどんと地酒でまったり

名産・深谷ねぎで知られる深谷市。寒さで甘みが増す冬は鍋物などに欠かせません。深谷ねぎと幅広の生麺を使った「深谷煮ぼうとう」を市内の「割烹 楓」でいただきました。

深谷ねぎをはじめ地野菜をたっぷり使った醤油仕立ての煮ぼうとう。深谷ではうどんが打てなければ嫁に来るなという言葉があるそうで、自宅でうどん打ちは当たり前とのこと。地粉でしっかり打ち、やわらかめに煮たうどんが野菜の甘みと相まって優しい味わいです。深谷出身の実業家、渋沢栄一も生涯愛した郷土料理です。割烹 楓 

埼玉の酒蔵のひとつ、「滝澤酒造」に立ち寄りました。煉瓦造りの煙突が残る酒蔵で、「菊泉」などの銘柄を出しています。埼玉県産の酒米「さけ武蔵」などで醸すすっきりと味わい深い良酒です。

瓶内二次発酵によるスパークリング酒にも力を入れていて、なんと世界初のロゼ色の日本酒泡酒「菊泉 ひとすじロゼ」を発売! 

                 左端がロゼの泡酒

赤色酵母を使い、にごりではなく透明感あるロゼです。発売前の出来立てほやほやを試飲させていただきました。イチゴのような香りとほんのりとした甘みがあり、おめでたい席にぴったりの優雅な味わいです。滝澤酒造 

五感で楽しむ醸造蔵めぐり

JR高崎線本庄駅からバスで約40分にある山木醸造グループの工場とショップへ。国産大豆と神泉の名水などを使った味噌・醤油の工場見学と、味噌作り・醤油搾り・豆腐作りというものづくり体験ができる施設です。


木桶でじっくり熟成させ、化学調味料を加えない味噌・醤油の風味は格別。ショップでは様々な商品が購入でき、喫茶コーナー、豆腐会席の食事処もあり、たっぷり楽しむことができます。山木醸造 

泊って分かる秩父の実力

勇壮な夜祭が有名な秩父市。今回は市内に宿泊し、素敵なディナーを「レストランサルベージ」でいただきました。

こちらのお店のコンセプトは秩父の食材をイタリア料理として組み立てる新しいスタイルの郷土料理。自家菜園(なんと一町三反の面積)と田んぼをもち、オーナーシェフ自らが耕し、野菜やハーブだけでなく、米・小麦・大豆なども自給しています。ご自身がアレルギー体質だったため、無添加で化学調味料を使わない料理を出したいとのこと。素材の味が堪能できる季節感のある料理は体を元気にしてくれます。

こんな素敵なお店があったとは! 驚きの連続でした。レストランサルベージ 

さて秩父での宿泊は、宿坊・民宿・グランピングもおすすめです。
宿坊は秩父鉄道の終着駅三峰口からさらに奥に入った、天空の寺「大陽寺(たいようじ)」。
詳細についてはコチラをご覧ください。
そして素朴な民宿体験ができるのが「すぎの子」。築300年、江戸時代から続く合掌造りの茅葺屋根の古民家です。

懐かしい田舎のお家は、外国人客にも人気。冬は猪鍋、春は山菜尽くしのお料理が味わえます。すぎの子 

秩父ミューズパーク内にある秩父の自然を利用したアウトドア施設「PICA秩父」。

こちらにはリゾートコテージエリアがあり、冷暖房完備でシャワー・トイレなどが付いたラグジュアリーな「オーベルジュコテージ」をはじめ、ペット同伴の「ドギーコテージ」など、優雅にキャンプができるグランピングが楽しめます。

釜焼きピザとBBQ、すき焼きなどプランも充実。いつもとは違った滞在が楽しめます。PICA秩父

県内最古の民家と和紙の里

和紙のふるさと・小川町。ここには年号のわかるうちで県内最古の民家が残っています。国指定重要文化財の「吉田家」は亨保6年(1721年)に建築、茅葺屋根の入母屋造りで、畳敷きの座敷、広い板間、囲炉裏、かまどなどが残っています。

今は、囲炉裏で団子や焼き鳥を焼いたり、座敷ではうどんやそばをいただけるようになっています。

ついごろりと横になりたくなるような長閑さがあり、可愛い民具や雑貨なども揃い、まったりと、長居したくなります。利用しながら文化財を残すことは大切ですね。吉田家 

次に「道の駅おがわまち」にある埼玉伝統工芸会館へ。ここには小川町の象徴である和紙の展示・販売・体験施設があります。小川和紙を代表する、国内産の楮(こぞ)だけを使用する「細川紙」と呼ばれる伝統的な手すき和紙は、ユネスコの無形文化遺産に登録。耐久性が高い丈夫な紙が特徴です。

職人の方の和紙作りを見た後、早速紙漉き体験にチャレンジ。竹製の簀(す)を桁(けた)に挟み、和紙の原料のねりの中に入れて上下左右振りながら薄い膜を作っていきます。均等に膜を作るのが難しいのです。次に、その上に花びらや葉などを使い好きな模様を描いていきます。

                  和紙に模様づけ

その後、完成品が届けられます。なかなかの仕上がりに大満足!自慢したくなる伝統工芸品になりました。

                   関屋の完成品

道の駅ではほかに野菜や地粉製麺などの販売所もあり、お土産探しにもおすすめです。道の駅おがわまち

駆け足でご紹介した埼玉の魅力。もちろん東京から近いのでピンポイントで楽しむのもいいですが、泊まってじっくり回ることで、見えてくるものもあります。まだ知らない埼玉に出かけてみてはいかがでしょう。

協力:埼玉県物産観光協会 

取材・文/関屋淳子