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 豊かな水の都・富山市 細工かまぼこなど伝統の味と技を訪ねるデイトリップへGO! 後編

東京駅から北陸新幹線、最速で2時間10分、富山県県庁所在地の富山市に到着します。富山といえば、ホタルイカや冬の寒ブリなど豊かな海の幸がまず思い浮かびますが、今回は市内を巡る気ままなデイトリップへ。

コンパクトシティ富山

伝統ある食文化を知る細工かまぼこ

富山の名物にかまぼこがありますが、一般に思い浮かぶかまぼことはちょっと違います。何が違うかというと、板に乗っていない! 訪ねたのは「梅かまミュージアム U-mei(ゆうめい)館」、県内最大手のかまぼこ製造会社・梅かまの施設です。定番は昆布巻きかまぼこ。新鮮な魚のすり身を昆布で渦巻き状に巻き上げて蒸します。かつて北前船の寄港地であった富山に運ばれた北海道産の真昆布を用いた先人の知恵のたまものです。また、細工かまぼこも富山ならでは。婚礼などの華やかな膳料理の中のひとつに細工かまぼこがあり、膳料理を持ち帰って福をご近所へお裾分けするという風習が独特の細工かまぼこを生み出しました。熟練の職人が鯛や鶴などを巧みにすり身で描いていくその工程は、見学ゾーンで堪能することができます。さらにさまざまな味わいのかまぼこを試食し、世界語として知られる「SURIMI(すりみ)」の世界を楽しめます。

梅かまミュージアムU-mei館


昆布巻きかまぼこ


鯛を製造中


細工かまぼこがたくさん

●梅かまミュージアム U-mei館
富山市水橋肘崎482-8 ℡0120-108-063(フリーダイヤル)

300年以上の歴史・越中の和漢薬

「越中富山の薬売り」という言葉をご存知でしょうか。富山から日本全国の家庭へ配置家庭薬を行商することです。富山藩第2代藩主・前田正甫(まさとし)が病弱だったことから、薬学に興味をもち、反魂丹(はんごんたん)が開発。腹痛に効く薬として全国に売り歩き、富山の経済基盤を支える製薬産業の礎となりました。戦後、その反魂丹の製造販売を始めたのが「池田屋安兵衛商店」です。市の中心市街地に建つ堂々たる木造建の店内には数々の和漢薬や健康茶などが並び、レトロなパッケージが目を引きます。こちらでは薬剤師さんによるカウンセリングで、個別の漢方薬の調剤も行っています。かつて使用していた薬づくりの古い道具が展示され、丸薬づくりの体験もできます。職人さんの指示に従い、私も体験。やさしく薬を丸めようとするのですが、不揃いに……。反魂丹は、消化不良や胸やけなどに効果があるのですが、なんと飲む前に飲むと悪酔いしないということから、もちろん購入! とても助かっています。
2階では、漢方の考えを取り入れた「健康膳」(要予約・2160円~)が味わえます。野草の天ぷらや高麗人参と鶏団子のスープ、黒米の山菜おこわなど、食べて健康になるメニューです。

飲み過ぎ、胸やけに効く反魂丹


昔ながらの機械で丸薬づくりを披露


関屋も挑戦!


丸く揃わない!


薬なのにジャケ買いしたくなる

●池田屋安兵衛商店
富山市堤町通り1-3-5 ℡076-425-1871

やさしい風合いの水飴と銘菓

富山の薬売りと歴史を歩んだスイーツがあります。それが水飴。丸薬の苦みを軽減するために生薬の中に入れて利用されたといいます。寛文3年(1663)創業の「島川あめ店」では昔ながらの製法で水飴を作っています。材料は澱粉(主にサツマイモ)と麦芽のみ、2日間、大釜で煮つめます。砂糖を使わぬやさしい風合いで、緩やかな甘みが口の中で広がります。昭和の初めまでは7軒の水飴店があったそうですが、今はここだけ。しつこくない甘みは砂糖や蜂蜜の代わりに料理にも重宝します。ちなみに、富山の薬つながりがもうひとつ、それはガラス。薬のガラス瓶からガラス工芸が発展したと言います。

やさしい水飴

●島川あめ店
富山市古鍛冶町6-7 ℡076-425-5104

100年以上の歴史を誇る富山銘菓が「月(つき)世界」です。新鮮な鶏卵と和三盆糖、寒天、白双糖を煮詰めた糖蜜と合わせて乾燥させた干菓子。上品な口当たりで口に運ぶと、さくっふわっと溶ける独特の食感。月世界の名は、「月世界本舗」の創業者が夜明けの空に浮かぶ淡い月影から想を得たとか。なるほど、軽くて淡いです。もうひとつの菓子が「まいどはや」。こちらは弾力のあるマシュマロのような味わいでまろやかな甘み。まいどはやは方言で、こんにちは・お元気ですかの意味だそうです。これらを詰め合わせたパックがあり、ウサギをモチーフにしたパッケージがとてもかわいくて、お土産品にぴったり! 取材チーム女子たちは皆、爆買いしていました。

月世界とまいどはや

●月世界本舗
富山市上本町8-6 ℡076-421-2398

富山のデイトリップいかがでしたでしょうか。今回ご紹介した以外にもディープなスポットが隠れていそうな富山、ぜひ、その魅力を探してみてください。
さて、今回の富山取材、ご設定いただいたのはタウン誌「月刊グッドラックとやま」の皆様。昭和36年(1961)創業という老舗で、富山の魅力を伝え続けています。とくに発行人の中村孝一さんの富山愛は半端ない! 言葉の端々に深い富山への想いが溢れています。根無し草のような生活をしている私からすると、自分の生まれ育った街をこれほど誇りに思い、愛している方というのは、本当にすごいことだし、うらやましい限りです。「月刊グッドラックとやま」は富山市内の主要書店などで発売。ぜひお手に取ってみてください。

月刊グッドラックとやま


笑顔が素敵な中村さん

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取材・文/関屋淳子