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星野リゾート&旅恋 記事
 第21回「星のや東京」(後編)
"塔の日本旅館"をうたう「星のや東京」。後編では、シェフの創意工夫が光る夕食を中心にご紹介します。

美食にうっとり
お楽しみの夕食です。エレベーターで地下1階のダイニングへ向かいます。扉が開いた瞬間、客室がある
上層部との違いに驚きます。目の前には巨大な花崗岩が配され、左官仕立ての壁やほの暗い通路が独特の
空間を作り出しています。モノトーンの静謐な世界......。個室に案内され、麗しき料理と対峙します。

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シェフは「星野リゾート 軽井沢ホテルブレストンコート」のフレンチ「ユカワタン」で存分にその腕を
振るってきた浜田統之さん。満を持して「星のや東京」に登場です。浜田シェフはフランス料理界で
最も権威あるコンクール「ボキューズ・ドール国際料理コンクール」で日本人初の総合3位、
魚料理部門では最高得点を獲得した方です。今春から、魚料理のみで仕立てる「Nippon キュイジーヌ」
を供しています。決して高級魚を使うわけではなく、その日に入手できる最高の食材を最適な料理法で、
まさに一期一会の出会いを楽しむコースを作り上げます。

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最初の一品目は、竹炭とチーズと雑魚の骨を焼き上げたテュイル(せんべい状)、白身魚のすり身と
海藻(マツモ)の組み合わせとムギイカのフリット。器は、建設時に地中から掘り出された江戸時代の
大名屋敷の柱と言われる神代木を現代風にアレンジしたもの。その独創的なビジュアルと味に圧倒。
続いてはハマグリのスープ。じつはこの2品はメニューにはなく、前菜の前の料理。
続く料理に期待が高まります。

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今回は料理に合わせるワインや日本酒のペアリングをオーダー。もちろん最初の一杯は
「パトリス・マルク」のシャンパンからです。
前菜の「五つの意志」は、球状の大理石の上に一口サイズの5つの異なる味覚を楽しむもの。
サクラマスのタルタルのルーラー、新玉ねぎの冷たいポタージュ、ホタテのムース・アスパラ巻き、
桜エビのクリームコロッケ、桜餅(なかに鰊の甘露煮)。コース料理を味わうように、
五味(酸・旨・塩・辛・甘)が口に広がり、繊細な技法が光ります。冷たい料理には大理石も冷たく、
温かい料理には温かくと、石の温度も違うのです。
次は鯵。鯵の良質で深みがある脂身とトマトのジュレの相性、ウワミズザクラを使ったソース、
さらにクロムツの蕨巻きも添えられ、印象に残る味。舌が喜んでいます。
そして百合根のムニエル。百合根のホクホクした美味しさとフキノトウのピクルスがピリッとしまり、
ブルゴーニュの「ドメーヌ・ラゴー」のピノノワールとぴったりです。
さらに続くのはサザエのフレンチ仕立て。クリーミーでこくがあり、そこにサザエの肝独特の苦みが
加わります。合わせるお酒は神奈川の日本酒「隆」。素敵なマリアージュです。
料理はまだまだ続き、エボダイの料理。たっぷりの桜エビ、こごみや行者ニンニクなどの多角的な味が
山椒で引き締まります。金目鯛はスープ・ド・ポワソンで。スープを注ぐとふわりと香りが広がり、
しっかりとした金目鯛の旨みがにじみ出ます。ここにご飯を入れたくなる!(日本人的には)

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(写真左上)「五つの意思」 (写真右上)鯵 (写真左下)サザエのフレンチ仕立て (写真右下)金目鯛のスープ・ド・ポワソン 

最後を飾るデザートも一筋縄ではいきません。晩柑と大葉のソルベと、
ヨモギを使ったオペラ(専用生地を何層にも重ねた菓子)。そしてずらりと並んだ「おたのし実」。
素材の旨みが最大限に引き出される想像もしない料理が次々と現われ、
その味を言葉では表現しきれず(ごめんなさい)、まさに浜田マジックに酔いしれる一夜。
「星のや東京」でしか味わえないスタイルがあります。
ディナーは宿泊者優先ですが、外来も受け付けています。

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(写真左)ヨモギを使ったオペラ (写真右)「おたのし実」

朝食は客室でいただきます。和食か洋食かを選び、指定の時間にセッティングしてくれます。
和食はお浸しや煮物などの小鉢と魚料理、洋食はマリネやサーモンなどの小鉢と卵料理。
それぞれ、たっぷりの野菜が元気をチャージしてくれるようです。

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滞在時間をより豊かに
アクティビティが充実しているのも「星のや東京」の魅力。
ここでは、今回の滞在で体験したものをいくつかご紹介します。

■太神楽曲芸&日本酒3種飲み比べ
2階ラウンジにある「畳の間」では、夕暮れ時に太神楽曲芸など日本のエンターテインメントを
披露しています。この日は女性の演者さんによる曲芸。外国人旅行客が多いことから英語を交えて
内容を説明します。独楽を使った曲芸の数々。ゲストを舞台に上げての参加型の曲芸もあり、
盛り上がりました。太神楽曲芸を見物しながら、日本酒3種飲み比べを。用意されたのは、
福島・宮泉銘醸の「写楽 純米吟醸」、奈良・油長酒造の「風の森 純米しぼり華」、福岡・山の壽酒造
「山の壽 純米吟醸」。メロンのような味わいだったり、若干のしゅわしゅわ感であったり、
豊かな芳香であったり、それぞれの個性を堪能しました。ラウンジでは、日本酒のほか日本ワインも
味わえるので、出し物を見ながらゆったりグラスを傾けるひと時を過ごせます。

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■お休み前の深呼吸
17階にあるスパラウンジで、22時から行われるこちらのアクティビティ。眠りにつく前、より深い
リラックス状態に体を導く、呼吸法とストレッチを組み合わせたプログラムで、滞在着の「キモノ」で
参加できます。湯上がりの体があたたまった状態で参加するのがおすすめです。

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■茶の湯
2階ラウンジの畳の間で、茶道体験を。お茶の作法を学ばれたスタッフの方が、お茶の点て方を一から
丁寧に教えてくれます。お抹茶といえば、お寺や庭園で野点を体験した程度、茶道の知識0の
私(川崎)ですが、柄杓の持ち方から、みっちり教えていただいたのでなんとか形をつくることが
できました。体験のあとにお茶碗と茶筅のセットがお土産としていただけます。
やや小ぶりのセットなので、アウトドアでお茶を点てる、なんて粋なこともできそうです。

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(取材・文/関屋淳子&川崎久子)


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