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 列車で行く!Vol.19 青森〜秋田 五能線の旅
五能線は青森の五所川原から日本海沿いをひた走り、秋田へいたる路線。クルージングトレイン「リゾートしらかみ」は、人気ローカル線ランキングで1位に輝く人気列車です。2017年4月で運行開始20周年を迎えた「リゾートしらかみ」に、この春乗ってきました。

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旅のはじまりは五所川原から
3月の三連休最終日のよく晴れた朝。青森から走ってきた「リゾートしらかみ2号」は五所川原駅を9時30分、定刻通りに出発。約4時間過ごすことになる列車は、車体の一部がブルーに染め上げられた青池編成。ディーゼルエンジンとリチウムイオン蓄電池を組み合わせた、環境にやさしいハイブリットシステムの車両です。4両編成の1両だけ、真ん中のテーブルを挟んで席を配したセミコンパートメントがあります。座席を組み替えるとフラットになるので、特に子ども連れのグループには便利そう。青森から乗っている乗客のなかには、既に横になっている人もいて、思い思いにくつろいでいました。
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コンパートメント席。肘掛けの部分も取り外しでき、シートを小上がりのように組み替えフルフラットにすることができます。

津軽といえば、やっぱりコレ!
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「リゾートしらかみ」が五所川原を出発してすぐのところではじまる、お楽しみひとつ目。それが、津軽三味線の生演奏です。席を温める間もなく、荷物をバタバタと片付けて、演奏が行われる1号車へ移動すると、車両後方に設けられた展望室に演奏者が2人おり、すでに乗客の皆さんも演奏を聞く体勢に入っていました。私も座席と壁のすき間にスペースを見つけて滑り込み、スタンバイ。バチを叩きつけるように弾くダイナミックな三味線の音色に聞き惚れる......のも、つかの間。窓の外を見ると「津軽富士」の別名を持つ岩木山の秀麗な姿が見え、気もそぞろになってしまいました。演奏も聞きたいけど、岩木山の風景もみたい......。ゆっくり演奏も風景も楽しむには、1号車の席を押さえるのがいいかもしれません。

途中下車して、岩畳を散策
津軽三味線の演奏が終わり、しばし車窓の風景を眺める静かなひと時を過ごします。鯵ヶ沢の辺りから、いよいよ列車は日本海をなぞるように走りはじめ、千畳敷駅でふたつ目のお楽しみ。ここで列車は15分間停車し、駅のすぐそばに波打ち際まで石畳が続く千畳敷と呼ばれる景勝地があるので、どうぞ途中下車して散策してください、という心憎いサービスがあるのです。
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藩政時代、殿様が千畳の畳を敷いて宴会をしたことからこの名が付いたといわれる千畳敷(諸説あり)。太宰治の小説「津軽」にも登場することから、太宰の文学碑も立っています。わらわらと降りてきた乗客たちとともに、海風に煽られながら海浜を散策。風にあらがいながら飛ぶカモメのけなげな姿を眺めつつ、ひと足先に列車のそばに戻ると、汽笛が3回鳴らされました。これがそろそろ出発しますよの合図。乗り遅れないよう乗車します。
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深浦駅は撮り鉄の撮影ポイント?!
千畳敷駅の次に停車する深浦駅で、プラットホームに到着するとカメラ片手に続々乗客が降りて行きます。どうやら反対ホームに停まる列車を撮影するためらしい。私も真似して降りてみました。
深浦駅に先に到着していたのは、「リゾートしらかみ1号」のくまげら編成。8時20分に秋田を出発し、深浦駅到着が10時49分で、10時59分には出発します。一方、私が乗車している列車は、10時56分に深浦駅に到着し、出発は11時2分。すれ違うために3分間だけ上りと下りの「リゾートしらかみ」がプラットホームに並ぶというわけです。列車の正面にぶらぶら歩いていくと、駅舎の前に絶好の撮影ポイントが!仲良く顔を寄せ合う青池とくまげらをばっちり撮影することができました。
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手前がくまげら、奥が青池。

絶景スポットで徐行運転。風景を堪能
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鯵ヶ沢から東八森駅あたりまで約80kmは、車窓に日本海が広がります。海景も素晴らしいですが、雪を頂きにのせた白神山地が海岸線に迫るように連なる風景もまた絶景!岩館駅付近など、海から岩がせり出す荒々しいくも美しい風景が続く場所では、風景を説明するアナウンスとともに徐行運転をするサービスもあります。これこそ、急がないローカル線の旅の醍醐味です。
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私は午前中の編成に乗りましたが、リゾートしらかみは午後の編成が特に人気。というのも、日本海に沈む夕日を車窓に望めるから。次回は、ぜひ昨年登場した新型車両の橅編成に乗って、不老不死温泉に泊まるのもいいかも!秋田のどこまでも続く田んぼを眺めて、再訪を誓いました。

(文・川崎 久子)