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 列車で行く Vol.21 青森・ストーブ列車
青森では冬になると、「ストーブ列車」なるものが走っているらしい。
12月〜3月の冬期限定で運行するこの列車、どんなものなのか、この3月に実際に体験してきました。

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ストーブ列車、どこで走っているの?
ストーブ列車を運行しているのは、青森県津軽地方の津軽鉄道。津軽五所川原駅から中泊町にある
津軽中里駅まで全長20.7km、12ある駅のうち有人の駅は津軽五所川原駅と太宰治のふるさである
金木駅、そして津軽中里駅のみというローカル線です。
昭和5(1930)年に開通した通称「つてつ(津鉄)」。開業当初は、不況や戦争、凶作とさまざまな
苦難が立ちはだかり、順風満帆の営業とはいかなかった模様。それでも、戦後は旅客数が上昇し、
昭和50年代には通勤・通学の足として、年間旅客数が250万人を突破しました。近年は、最盛期ほどの
にぎわいはありませんが、夏に走る風鈴列車や秋の鈴虫列車、そして冬のストーブ列車と、さまざまな
イベント列車を企画し、沿線を盛り上げています。

ストーブ列車に乗ろう!
12月〜3月まで運行するストーブ列車は、日中3往復運行しています(12月の平日は2往復)。
座席は自由席なので、その日ふらりと訪れても乗ることができます。乗車するには、目的地までの
普通旅客運賃のほかに、ストーブ列車券400円が必要です。
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私が乗車したのは、2017年3月の3連休中日のこと。街中のカフェでコーヒーを飲んでから
乗車しようと目論んでいたのですが、店がまだ開店していなかったため、乗車時間よりも1時間早く
津軽五所川原駅に着いてしまいました。

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↑絣の座布団が敷かれた五所川原駅の待合スペース。ストーブもなつかしい形!

さすがに、この時間から列車を待つ人もなく、駅舎内はがらーんとしています。金木駅までの切符と
ストーブ券を購入し、待合スペースでストーブにあたっていると、観光客とおぼしき人達が駅に
ぱらぱら入ってきました。

発車時間の30分ほど前から、改札口前で順番を待つ人がではじめたので、
私も真似して3番目に陣取りました。
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↑改札口上部に掲げられた時刻表。このスタイル最近ほどんと見かけません。
この日のストーブ列車は、2両編成の1両にダルマ型のストーブが2台設置されていました。
車内はボックス席が並び、向かい合った席の中央にテーブルがあるので、お弁当などを広げられます。
改札3番目だった私は、ストーブの真ん前の席をゲット。8名のみが享受できるプラチナシートです(笑)
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当初、乗客はまばらだったのですが、発車5分ほど前でしょうか、どっと乗客が乗り込んできました。
どうやらJRからの乗り継ぎ客のよう。あれよあれよと言う間に、車内は満席になりました。
五所川原駅を出てしばらくすると車窓に田園風景が広がり、岩木山の秀麗な姿が見えます。
市街地の道路に雪はありませんが、手つかずの田んぼにはまだ少し雪が残っています。
地吹雪体験を売りにする(!)津軽地方ですから、真冬のそれとは比べものにならないかも
しれませんが、3月後半でも雪国の風景を楽しむことができます。
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車内のお楽しみは、コレ!
ストーブ列車の純粋な楽しみがダルマストーブと車窓の風景なら、余興的なお楽しみは、車内で味わう
地酒とおつまみでしょう。列車に乗り込んで早々、行われる車内販売。私は迷わずストーブ列車印の
日本酒と、名物のスルメをセレクトしました。
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のんべいさんなら、ぜひ試してほしいこちらのセット。なにが名物なのかというと、購入したスルメを
石炭が燃え盛るダルマストーブであぶってくれるサービスがあるのです。
アテンダントのお姉さんがストーブの網の上にスルメを並べ、しばらくするとスルメをぎゅうぎゅう
網に押しつけて焼き色をつけてくれます。炙り終わったスルメを肴に、日本酒をちびちび。
これぞ、至福のひとときです。

ストーブ列車について
私が乗車した時(2017年3月19日)のストーブ列車は1両編成でしたが、ハイシーズンは2両とも
ストーブ列車になることも。自由席なので、ストーブのそばに座りたい方は、JRとの乗換時間に余裕を
もたせて旅の計画を立てるのをおすすめします(私は、朝一のストーブ列車に乗るために前泊しました)。
冬とはいえ、ストーブ真ん前の席は結構暑いので、暑がりさんは脱ぎ着しやすい服装だと
いいかもしれません(笑)

津軽鉄道のストーブ列車について詳しくは↓
http://tsutetsu.com/stove.html

(文・川崎 久子)