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 開館以来初の大幅リニューアルをした日本科学未来館へ行ってきました
東京の湾岸エリアにある日本科学未来館が、2001年の開館以来、初めて常設展の大幅リニューアルを4月20日に実施したということでプレス発表会に行ってきました。

体験型展示 → 経験型・思考型展示へ

今回のリニューアルで大きく変わった点は、展示の考え方。従来主流だった「体験型」から、「経験型・思考型」へと変わったことです。問い→考える→行動に起こす、という未来を自ら作り出そうと来館者に促す流れに各展示ブースのコンセプトが置かれるようになりました。

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今回のリニューアルでは、新たに6つの展示が追加されました。同館を訪れたノーベル賞受賞者たちからの直筆メッセージが展示された「ノーベルQ -ノーベル賞受賞者たちからの問い」や、映画『呪怨』や『魔女の宅急便』などの映画監督・清水崇氏が演出を手がけたドームシアターでの新しい作品の上映のほか、毎日多彩なトークショーやワークショップを実施する「コ・スタジオ」も整備されました。

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身近に迫るハザードを模型で実感する

なかでも注目は、同館の館長である宇宙飛行士の毛利衛さん監修による、東日本大震災をきっかけに考えられた「100億人でサバイバル」の展示です。地震や噴火、異常気象などの自然災害、ジカ熱やエボラ出血熱などの感染症やテロ、地球温暖化など、地球上の様々な危機(=ハザード)の仕組みを理解し、その大きさを体感し、そして100億人で身を守るにはどうしたらいいかを考えようというものです。
地球のシステムと人間社会を直径6.7メートルの模型で表し、地球や人間社会における危険の種に見立てた赤いボールがどう動いていくかを視覚と聴覚を通じ、意外に身近にある危険、自分が置かれている状況を直感的に考えることができます。

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大量のボールが蠢く姿を見ながら、ボールが慌ただしく動く音を聞いていると、危険がすぐそこまで迫っていることが身に染みます。
さらに、過去1ヶ月間に日本で起こった地震の発生時刻や場所、2016年熊本地震で注目された強震計や高感度地震計の仕組みも説明されているので、身近な災害のことをあらためて考える必要があることを実感できました。

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子孫に残したい理想の地球を考える

「未来逆算思考」の展示は、50年後に暮らす子孫に、どのような地球を贈ることができるかを体感して考える新しいエリアです。まずはじめに、"地球温暖化がストップした地球""誰もが健康でいられる地球""いつまでも魚を食べつづけられる地球"など、8つの理想の地球から自分が未来へ贈りたい地球を1つ選びます。そして、選んだ理想の地球を、全長10メートル以上の巨大なゲーム盤上に置き、ゲーム上に待ち受ける様々な障害や災害を避けたり、進歩を受けるルートをデザインします。

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私自身も理想の未来として"芸術文化に満ちあふれた地球"を選んでみました。しかし、様々な障害にぶつかってしまい、今から20年後となる2036年にゲームオーバー。残念ながら50年後の未来まで"芸術文化に満ちあふれた地球"を届けることができませんでした。
この展示は、自分たちで地球の未来を"こうありたい"と決め、50年後の未来の視点からさかのぼって、今、何ができるか、何をすればいいのかをゲームをしながら考える仕組みになっているのです。

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さらにパワーアップした展示の数々

ほかにも、以前からあったシンボル展示「ジオ・コスモス」をAR技術でデータやシミュレーションを重ねて表示できるようになった「ジオ・プリズム」や、宇宙開発や海洋探査、ロケットエンジンなど、現在進行中の研究を紹介する「フロンティアラボ」などがパワーアップしました。また、以前から人気のあった、手元のコントローラーでロボットを操作してロボットやVRを用いた手術の様子を体験できる展示「ロボット手術支援」や、新しい実演スペースでASIMOの毎日1日4回行われる楽しい実演にも注目です。

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20160509-mirai08.jpg常設展を案内するスマートフォン向けの公式アプリ「Miraikan ノート」も新しくリリースされました(iOS版とAndroid版/無料)。全常設展の音声ガイドのほか、8つのモデルコースを回りながらメモできる「クエスト」や、モデルコースをクリアすると「ジオ・コスモス」を背景にしてAR技術を使った記念写真を撮ることもできます。



現状や未来のことをより考える展示となった日本科学未来館。新しい科学やテクノロジー、サイエンスにふれながら、友人や家族と体感しながらともに未来のことを話し合う機会を作ってみてはいかがでしょう。


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東京都江東区青海2-3-6
http://www.miraikan.jst.go.jp/


<企画展>
◎開催中~5月30日(月) GAME ON ~ゲームってなんでおもしろい?
◎2016年7月2日(土)~10月10日(祝) The NINJA ~忍者ってナンジャ!?




取材・文:塩見有紀子
写真協力:日本科学未来館