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 列車で行く Vol.18 宮城・仙台王道グルメ

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2016年3月、石丸幹二の生の歌声と衝撃的な出会いを果たして以来、その虜になっているカワサキです。彼が出演するミュージカルはすべて観る!とばかりに、新作が出る度に劇場に足を運んでおりますが、この度はじめて地方公演に訪れてみました。場所は「杜の都・仙台」。
福島出身の私ですが、仙台へは片手で数えるほどしか訪れたことがありません。1泊2日の仙台観劇旅、せっかくだから仙台の王道グルメも満喫しちゃおうじゃないの!と意気込み、建国記念日の日に彼の地に乗り込みました。


【1食目:寿司】
東京駅から乗車したE2系新幹線には、予想通りACコンセントなし(新幹線に乗る方、注意です!)。スマホ用充電池を持参してよかったと、にんまりしつつ仙台駅に着いたのは10時過ぎのこと。芝居の開場が11時半だったので、それまでに食べられるもの......と悩んだ結果選んだのが、寿司です。
宮城の三陸沖は、親潮・黒潮・津軽暖流が交差し、国内有数の漁場。特に三陸・金華山沖は、ノルウェー沖・カナダのニューファンドランド島沖と並び、「世界三大漁場」に数えられています。塩釜を筆頭に、石巻、気仙沼と大漁港から近い仙台は、質の高い寿司店が数多の寿司天国なのです。
しかし、時間は朝の10時過ぎ。この時間から空いている飲食店は限られています。そんなとき便利なのが仙台駅にある「すし通り」。盛岡寄りの新幹線中央口からほど近い場所に位置し、手前に「牛たん通り」があり、それに続いて「すし通り」があるという配置。この通りの魅力は、職人が握る寿司を朝10時から食べられることです。
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通路の両側に6軒の寿司店が並ぶなか、仙台一の繁華街・国分町に本店を構える「寿司処 こうや」に入ってみることにしました。オープン直後の時間だったので、店内はまだのんびりムード。注文して数分で11貫の寿司が並んだお膳が運ばれてきました。ネタはもちろん、三陸沖で獲れる新鮮な魚介。シャリはこぶりで上品な握りです。朝からたっぷり食べるぞと、朝食をコーヒーのみで我慢した私は、瞬く間に平らげてしまいました。
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【2食目:ずんだ】
ファストフード状態で寿司を食べてしまったので、移動時間を差し引いても30分ほどまだ時間がある!と計算した私が次に向かったのが、「牛タン通り・すし通り」の入口近くで見つけた「ずんだ茶寮」です。
茹でた枝豆をすり潰し、砂糖や塩を加えた餡でお餅を包む「ずんだ餅」は仙台の伝統食。「ずんだ茶寮」では、基本のずんだ餅だけでなく、ロールケーキやプリンなど洋風にアレンジしたずんだスイーツが味わえます。
数あるアレンジずんだスイーツのなかでも、近年爆発的な人気を誇っているのが、「ずんだシェイク」。バニラ味のシェイクにずんだをミックスしたこの一品は、カップの蓋をあけてみると、思いのほかずんだ色(大変鮮やかな黄緑色)は薄く、やや緑がかっているかなという淡い色合い。バニラのあとにほんのりずんだテイストが広がります。控えめにずんだが香るこの味、クセになりそう!「ずんだ茶寮」は、東京・大阪・札幌、そして埼玉のPasar羽生パーキングエリアにもありますが、ぜひ、仙台で味わってほしいひと品です。
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【3食目:ずんだ再び】
芝居が跳ねたあとの余韻を引きずりながら(石丸幹二は今日も間違いのない歌声でした)、仙台の街を歩くことしばし。繁華街からやや離れた場所(仙台駅西口から徒歩10分ほど)にある村上屋餅店を訪ねました。
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明治10(1877)年創業の老舗で、小さなお店ですが喫茶スペースがあるので、そこで甘味を味わうことができます。ここでいただいたのが、くるみ餅と胡麻餅とづんだ餅(この店では"ず"ではなく、昔ながらの呼び方の"づ"と表記)を1セットにした「三色餅」。注文が入ってから餅をちぎって作るという、まさにできたてを提供します。鮮やかな黄緑色のづんだ餅は砂糖が控えめで、枝豆の香りが感じられます。ずんだを目当てに頼んだこのメニューですが、くるみ餅を一口食べたとき衝撃が走りました。今まで食べたくるみ味の和菓子のなかで一番おいしい!餅を包むくるみ餡は非常になめらかで、餡というよりもクリーム状態。甘いイチゴを連想させるフルーティーな味わいでした。お店の方いわく、隠し味に味噌を少々加えている、とのこと。味噌の塩気がむしろくるみの甘みを引き立てるという、素晴らしいハーモニーを堪能しました(許されるなら、器にわずかに残るクリームを指で拭ってなめたかった......)。20170220_sendai05.JPG


【4食目:冷やし中華】
なぜ、真冬に冷やし中華か?
実は冷やし中華発祥の店が、ここ仙台にあるのです。昭和6年創業の中国料理店「龍亭」がそのお店。冷房がない時代、暑い夏は中華料理を食べにくるお客さんは少なく、売り上げが伸び悩んでいたそう。夏に食べたくなる料理を......と創業者の四倉さんが試行錯誤を繰り返した末、昭和6年に編み出したのが、冷たい麺料理「涼拌麺(リャンバンメン)」、いわゆる冷やし中華なのです。やや酸味の効いた味わいで食欲増進をはかり、野菜をふんだんにのせて栄養バランスを取るという、考え抜かれたこのメニュー。「龍亭」では一年を通して注文できる定番メニューになっています。
まだまだ真冬の仙台で冷やし中華。お店に入るまでは、手先が若干かじかんでいるし、冷やし中華ではなくあったかい点心が食べたいなと思いましたが、暖房の効いた店内で待っているうちに体も温まり、なんとか冷やし中華モードに持って行くことができました。いよいよ登場した「涼拌麺」。蒸し鶏・キクラゲ・キュウリなどの具材は別添で、麺の上には蒸しエビとレタスのみトッピングされていました。醤油と胡麻からタレが選べるのですが、私は胡麻をチョイス。よくしまった麺と甘酸っぱい胡麻ダレがよく合い、食欲増進!デザートに頼んだ杏仁豆腐もペロリといただいちゃいました。
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【5食目:牛たん】
初日にトップギアで仙台王道グルメを食べまくったので、翌日はローギアにシフトダウン。仙台といえば忘れてならない牛たんをランチに食べる!というのが、最終のお題です。
街を歩けば牛たん店に当たるのではないかというくらい、牛たん専門店がひしめく仙台。この名物が生まれるきっかけとなった店が、国分町にある「元祖 味太助」です。創業者の佐藤さんは山形の農家の次男坊でした。昭和10年頃に東京で料理修業をしている際に、フランス人シェフより牛たんの味わいについて教わったのだそう。戦時中は東北の各地を点々としていましたが、昭和23年に仙台で牛たん専門店「味太助」を開店させました。
2代目が切り盛りする店は、今も人気店。開店直後に訪ねましたが、すでに長蛇の列ができていました。行列に並ぶのが苦手な私。発祥の店は、次回の仙台旅の課題に残し、もう1店気になっていた仙台フォーラスの裏通りにある「炭火焼き牛たん おやま」を訪ねました。こちらのお店も入店直後こそ空いていましたが、その後あれよあれよという間に満席に。観光客というよりも、常連(と見受けられる)客が多いようでした。
店名にもなっているのだから、炭火焼を食べるべきなのでしょうが、ここでは牛たんシチューをオーダー。長時間かけてじっくり煮込まれた牛たんがごろごろ入ったシチューは、スプーンでほぐれるやわらかさ。昼間でなかったらワインとのマリアージュを楽しみたい、こっくりとした味わいでした。
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仙台の名物グルメを満喫する旅は、課題がいくつか残っているので(味太助に行くこと、笹かまホットドッグを食べること、昭和レトロな横丁で飲むこと......)、次回またどこかで!


(文・川崎 久子)