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 カワサキ的ツーリング情報 Vol.25 長野・小諸

今年は梅雨に入っても雨が少なく、渇水が懸念される今日この頃。もう少し雨が降ってほしいものです。とは言うものの、お休みの日に天気がいいと正直うれしい...。梅雨の晴れ間を利用し、とある気になる風景を求めて長野へ行ってきました。


長野の「清水寺」か、「山寺」か

長野の小諸に、京都の清水寺の舞台か、山形の立石寺(通称・山寺)の五大堂のような場所があるらしい。小諸には行ったことがありましたが、そんな場所があるとはまったく知りませんでした。

目指す場所は、天台宗釈尊寺の布引観音を安置する観音堂。

その昔、強欲な老婆を改悛させるために、牛に化身して善光寺へ導いたという「牛に引かれて善光寺参り」と語り継がれる観音様が釈尊寺の布引観音なのだそう。小諸ICからおよそ6km、国道18号、県道40号を経由して10分程度の距離のところにあります。

県道40号を走っていると、千曲川の側に切り立つ崖が見えてきました。きっとあの辺りに観音堂があるに違いない、釈尊寺まであと●kmの看板があるだろうと思って走っていると、突然それらしき駐車場が道沿いに現れました。もしやこれかと思い、駐車場に飛び込むと、布引観音の由来を説明する案内板が。

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間違いなく釈尊寺なのですが、例の清水の舞台のような、山寺のような目指す観音堂は陰も形もありません。お寺の本堂もまったく見えません。

一先ず、参道を登ってみることにしました。


「徒歩15分参道を登ります」...

こちらは、小諸市観光協会による釈尊寺の「利用案内」の説明書き。「へぇ、参道を15分ね、なるほどね」と斜め読みしていた私はちょっと甘かった...。

布引山観世音と書かれた石碑の横から始まる参道は、木立に囲まれており全貌が読めません。石段を数段上がると、1m前後の手頃な長さの木の枝が参道の隅にバラバラと置かれていました。前方には細くうねうねと続く登りの山道。これは、杖がわりに持ちなさいというやさしい心遣いなのだなと考え、枝を手に登り始めました。

参道と聞いてゆるやかな上り坂をイメージしていくと、観音堂への道はかなり険しく感じます。15分の山登り、と考えれば普通の道です。決してハイヒールでは訪れないこと!

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参道の両側には、岩から水が染み出し、幾筋にも水が流れ落ちて白糸の滝のようになっている場所や、樹齢数百年は下らないだろうケヤキの大木があったりと、豊かな景観が楽しめます。数分登ったところで、上からライダーが下りてきました。どのぐらいですかと訪ねると、3分の1ぐらいですかね、との返事。でも、もう少し登るとお堂が見えてきますよ、一見の価値ありですよ、と励ましてくれました。

ふうふういいながらさらに登ると、岩の切れ目に地中深くぽっかりと空いた穴が。「善光寺穴」と名付けられたその穴は、善光寺まで続いており、彼の地で火事があったときにここから煙が出たという言い伝えが残っているのだそう。そんな穴を通り過ぎて、さらに登るとやっと頭上に観音堂が見えてきました。

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観音堂の遥か下側に仁王門がひっそりと立っています。なかでは凄みを利かせた仁王像が鎮座。

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仁王門を通りすぎれば、本堂まではもう少しです。

本堂の前から正面に観音堂が見えます。灰色の岩肌に朱塗りの外観が色鮮やか。背景には遠く小諸の街並が望めます。ここから浅間山も見えるそうなのですが、この日は晴れていたものの山並みまでは確認できませんでした。残念...。

観音堂の前の小路は崖を削ったような造りで、岩をくり抜いたトンネルもあります。観音堂の奥に安置されている宮殿は、正嘉2(1258)年の作とされ、国の重要文化財に指定されています。気持ちのいい風が吹き抜けるお堂のなかでは、ラジオを聞きながらのんびりひと休みをする先客がひとり。その側で、静かにお参りをしました。

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ちょっと足を延ばして...

布引観音堂からおよそ3km、県道40号を東御市方面へ走ると道の駅みまきがあります。温泉コミュニティセンター御牧之湯を併設しており、内湯や露天風呂でゆっくり湯浴みが楽しめます。

また、小諸市街地に足を運んで、小諸城址を公園にした懐古園へ訪れるのもおすすめ。「真田丸」で話題の地といえば、上田市の上田城が真っ先に思い浮かぶと思います。この小諸城では関ヶ原の戦いに向かう途中、徳川秀忠が二の丸に真田との合戦の本陣を構えたことで知られています。


温泉も歴史も満喫できる小諸へ、出掛けてみませんか。


(取材・文 川崎 久子)