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 カワサキ的ツーリング情報 Vol.24 茨城・北茨城

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童謡作詞家・野口雨情

『七つの子』『シャボン玉』『赤い靴』など、多くの童謡を作詞したことでも知られる野口雨情は、茨城県多賀郡磯原村、現在の北茨城市の出身。回船業を営む裕福な家の長男として生まれました。その生家が今も北茨城市に残っています。


野口雨情の生家へ

野口雨情の生家は「観海亭」と呼ばれ、水戸徳川家藩主の御休息所としても利用される名家でした。回船業を営んでいた父・量平、母・てるの長男として明治15(1882)年に生まれた雨情は、文学の素養に富んだ少年だったそう。15歳で上京したのち、19歳で東京専門学校高等予科文学科(現在の早稲田大学)に入学しました。

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雨情が少年時代を過ごした生家は、常磐自動車道北茨城ICからおよそ10分のところ。国道6号沿いに「野口雨情生家資料館」と示す看板が出ており、そのやや奥にぐるりと塀に囲まれた立派な日本家屋が立っています。今でこそ、国道をはさんだ反対側に旅館が立っていますが、往時は太平洋を一望できる絶好のロケーションだったことでしょう。

しかし、このロケーションが東日本大震災の際、災いします。この明治時代に建てられた2階建ての家屋は津波で甚大な被害を受け、家屋は浸水し、家屋よりもわずかに高くなっているところに併設されている資料館もまた、床下浸水してしまいました。当時、資料館には雨情の直系の孫である野口不二子さんがいました。不二子さんは雨情の貴重な資料を2階へ避難させ、津波がいざ迫りくるや、原稿をリュックに詰め込んで裏山に逃げたそうです。

津波の被害を受けつつも、不二子さんの素早い行動で守られた貴重な資料の数々。2013年に震災以前の姿に復原された生家や資料館に展示されています。

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「野口雨情生家資料館」のすぐ近くに「野口雨情記念館」があります。こちらでも雨情の原稿や書などさまざまな資料を展示しています。2015年11月29日までは、企画展「野口雨情と仲間たち~童謡の世界へようこそ~」と題し、野口雨情と並び三大童謡詩人と称される北原白秋・西條八十らとの交遊関係や作品について紹介します。

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野口雨情記念館の前に立つ雨情の銅像には、ある仕掛けが施されています。ぜひ現地でご確認を!



北茨城の冬の味覚・あんこう

秋から冬にかけて北茨城に訪れたら、マストで味わってほしいのがアンコウです。

アンコウは7月・8月の禁漁期以外は一年を通して漁が行われていますが、春から初夏にかけての産卵期に向けて栄養を蓄える冬が、肝がよく肥えて食べごろといわれています。その肝はもちろん、皮まで捨てるところがなく味わえるアンコウ。鍋でいただくのが最も人気ですが、北茨城の郷土料理「どぶ汁」もぜひ味わってほしいところ。「どぶ汁」は、漁師が船上で作ったのがはじまりで、肝と味噌を合わせ、アンコウの身や野菜から出る水分で素材を煮込みます。水が貴重な船上ならではのアイデアが詰まった料理です。「どぶ汁」のどぶは、でき上がった汁の表面が濁り酒のどぶろくのようであることから名付けられたとか(諸説あり)。濃厚な味わいが体をほっこり温めてくれます。

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写真左)市場食堂で味わったどぶ汁。 写真右)鮮魚店ではアンコウの肝が入った友汁付きの切身のセットも販売。

2015年11月1日に開催される「雨情の里 港まつり」では、アンコウの吊るし切りの実演を実際に見ることができます。また、2016年の1月31日には北茨城市漁業歴史資料館「よう・そろー」で「全国あんこうサミット」を開催。山口県下関や青森県風間浦といったアンコウの名産地のアンコウ料理が一堂に会するユニークなイベントもあります。


ちょっと足を延ばして...

北茨城市のお隣、高萩市にある紅葉の名所へも訪れてみましょう。「野口雨情生家資料館」からおよそ21kmのところにある花貫渓谷は、国道6号にも案内板が出ている高萩随一の紅葉の名所。周辺には紅葉を楽しみながら歩ける遊歩道が整備されています。花貫川に架かる汐見滝吊り橋が一番の見どころ。大能駐車場、花貫駐車場いずれからも1kmほどなので、駐車場にバイクを停めてのんびり散策といきましょう。

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花貫渓谷まできたら、せっかくですから袋田の滝も行かなくては!国道461号を経由しておよそ33km。袋田の滝は日本三名瀑のひとつに数えられ、高さ120m、幅73mの堂々とした姿を見せてくれます。紅葉の秋はもちろん、真冬には滝が凍結し、幻想的な美しさを放ちます。

さらに2015年11月1日~2016年2月15日の金~日曜・祝日と年末年始には、春夏秋冬をイメージした光でライトアップされるイベントも行われます。

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写真左)紅葉の時期の袋田の滝。 写真右)七色にライトアップされた過去のライトアップイベント時の様子。


秋から冬へと向かうこの時期、北茨城へ足を運んでみませんか?



(取材・文 川崎 久子)